テレビを見ていたら、何やらの街頭インタビュー風景。新大阪駅あたり?でインタビューしている男性会社員の眼が輝いていました。いきなり「パナソニックです」と勤務先の社章を見せる超笑顔な男性がいました。
インタビューのテーマは「最近、一番うれしいこと」「人生で一番失敗したこと」のどちらかだと思います。彼は、その両方を答えていました。「20年前から別居していた妻と定年を機に離婚した」とのこと。言わずもがな、彼も退職金の80%を奥さんに渡したそうです。
彼曰く「20年間、二人の娘を大学まで行かせるための費用をすべて支払ってきたが、それでも子育ての苦労には勝てないんです。これが人生で一番の失敗」と。それでも、今は最高に楽しいという。離婚後に婚活をはじめて、一回り近く年の離れた女医さんと再婚したそうです。
彼が社章を示しながら「パナソニック」と声にしたのは、充実感の表れだったのでしょう。この映像を見ながら、「会社が好きなのか、仕事が好きなのか」と訊きたい気持ちになりました。ですが、おそらく、両方を好きなのでしょう。
彼から感じるのは、人生の中でやっと「自分の成長、自分の生き方に集中する時間をもつことができた」という喜びでした。そりゃ、若い奥様と結婚したのですから、それはそれで楽しいのでしょうが、結婚もまた「自分の生き方に集中した」決意のあらわれのように思います。そして、その環境を許してくれているのが、定年後の再雇用を充実した体制整備しているパナソニックという会社の存在だったのでしょう。
きっと彼の「自分をリードする、集中力」が長い仕事の中でも活かされてきたからこそ、再雇用を充実して過ごせる環境を勝ち得たのでしょう。「自分をリードする力」は人生を楽しく、自分らしく生きるための「技量」「度量」といえます。
ですが、これから定年に向かって走り続ける社員には、再雇用の充実度を求める前に、自分をリードする技量、つまりセルフリーダーシップとその中で培うプロフェッショナルシップを身につけることが必須になります。
自分をリードすることができる人は、苦難にあっても道を拓きます。そのうちにプロフェッショナルな技量を身につけ、専門性の高い力を発揮していきます。就職できてよかった、無事に10年勤務できたからよかった、という時代ではありませんね。
会社に不満があるかないかが生き方を決める理由ではないのです。この先の会社の経営ベクトルと自分の能力がどのように併走できるのか、ということが生き方を決めます。そして、そのことを常にマネジメントできることがセルフマネジメントです。
日本流終身雇用制度の中で生きてきた親を見ながら育った人は、自分で生き方をマネジメントすることを現実的にイメージできないようです。私などは、実家が商売をしていたせいか、この部分はあっさりと振り払えました。むしろ、日本流の雇用制度の中で生きることを望んでいませんでした。当時は「じゃじゃ馬娘」と言われましたが、亡くなった祖父と父は、私がしたいと思うことを否定したことは一度もありませんでした。一言だけ「やりたいことをするというのは孤独だぞ」と言われたくらいです。
この孤独を糧にするのが、セルフリーダーシップだと私はみなさんに伝えたいと思うのです。人生は「ゆらぎ」の連続です。それでも自分をリードできることは後悔をしないことでもあります。
思わずテレビの画面越しに出会った「パナソニックの紳士」に拍手をお贈りました。
2月7日(木)「ターニングポイントマンジメント×セルフリーダーシップが腑に落ちる90分」無料公開講座を開催します。ぜひとも、「ゆらぎ」世代の皆様のご参加をお待ちしております。