カルロス・ゴーンはどこを見つめて経営していたのか?革新機構はなぜ取締役が全員辞任したのか?これらの会社の社員はどこを、何を見つめていたらよいのだろうか?
今の日本は経営の動きを理解できずに、振り回されていると感じている社員が多いのではないだろうか?ある企業の入社3年目の社員が首を傾げながら、「親会社から出向で来た部長が何人もいるのですが、どこを見ているのか不思議になることがあるんですよ」とつぶやいていました。
駅近くのカフェでコーヒーブレイクを一緒にしていたときのことです。
「結局は、親会社のことしか言わないので、やる気になれませんよ。
自分たちが頑張れは親会社の利益があがり、子会社も情勢がよくなる的なことを平気で言うんですよ」とボヤき続けていました。
この会社の抱える課題は、経営情報が何かと「情報制限」がかかって、社員に情報が届くのがとても遅いということです。今どき・・・。と筆者はいつも感じてはいましたが、中小の会社にはいまだによくあること。
そう思いながらも、それでもやりがいをもって働いて欲しいと思うばかりでした。
カフェでの「ボヤキタイム」から1週間くらいして、その社員からメールがあり、1年がかりで作り上げたパートナー企業との連携が、親会社の意向で没になった、という内容でした。親会社の担当者が同じ攻め口を作り上げていたので、「引け」ということらしい、とのことでした。案の定、出向の上司は「仕方がないよな」の一言で終わったとのこと。
3年目の彼としては、やっと4年目の目星を立てていたわけですから、ショックでした。どうして、そういう情報が社内で早期に発信されなかったのかということが悔しくてならないと言っていました。
なんともお粗末な話で、時代錯誤のような話です。ですが、社員が変わっても上司が変わらなければ組織は何も変わらない。組織が変わらなければ、何も変わらない。ということなのでしょう。
さらに、彼の部門は急に部長が親会社に戻り、社長も親会社に戻る、という事態に。
彼は自分の会社への不信感を募らせていきました。間もなく彼は、退職願いをだしました。
「会社のベクトルがわからないんじゃ、自己成長のベクトルに反映することなんてできませんよね。自分の社員としての価値が期待されていないように感じたんです。もっと、自分のことを大事にしたいと思います」とのこと。
それは良い選択だと思いました。「今は自分の成長に集中すること、自分が今、すべきことを選ぶこと、すべてに自分で責任をもつことが大切ですよ」とメッセージを送りました。
その彼は、2月の転職に向かい、弊社が開催しているがロジカルワーキングとセルフリーダーシップのパーソナルトレーニング講座に顔を出してくれました。
髪型を短く整え、精悍に見える新しいスーツに身を包み、自信にあふれた笑顔で。
彼によると筆者は「お守り」らしい・・・・。まっすぐに生きていくためのお守りだそうです。
ターニングポイントマネジメント(TPM)は自己成長を願いながらも、経営ベクトルを受けとめていくビジネスマンのためのセルフマネジメント手法です。