グループ全体で約2万人もいると言われる、人事・総務・経理など関節部門社員5,000名を2020年目途にITサービス事業に振り分けるとの発表が経営戦略発表会で行われた富士通。ついに来たか、という感じではあります。
研修をうけたうえで、エンジニア業務に配置転換ということですが、受け止め方はさまざまであることは言うまでもありません。もし、私が5,000名の中の一人だったら、「エンジニアになってみたかった」と思うかもしれませんし、「今さら、しんどい」と思ったかもしれません。
問題として捉えておきたいことは、「何が面倒で」「何が自分の心を動かさないのか」ということだと思うのです。「自分が変わること」を要求されているときに、自分自身の意思でそこに立ち向かうことができるのか、ということです。
この富士通の経営戦略は、間接部門社員にとってはどちらの会社でも「ありうること」と捉えているはずです。中小規模であれば、実はなおさらのことなのです。
人手不足が続けば、企業は対策を講じます。それを促すのがAIやRPAであり、どんどんコストは小さくなるように開発が進んでいきます。
このことは拙著『ターニングポイントは風の中で』第5章ターニングポイントマネジメントのまとめ(2)事務職が激減する時代の女性の働き方、の中でも強く言及した部分でもあります。
では、営業職はどうでしょうか?何も変わらないでしょうか?多くの企業経営層が口にするのは、「異質な企業とのコラボ、結合が必要」という言葉。
営業部門の社員は、入社時に想定していた「自社の製品」から「まったく異質なコラボによるサービス」を売ることになります。
「製品はサービス」へ、「独自はコラボ」へと変わっていきます。営業をするために必要な素養までが変わっていくはずです。
システム開発などのエンジニアも同じではないでしょうか。今やGoogleやappleがcloud上でシステム開発の根幹技術を提供しているので、今まで苦労していた開発自体が不要になっているとのこと。必要とされる技術や領域が変わっている、ということなのでしょう。
「変わらぬ日々などはない」と覚悟する時代です。そして、覚悟するくらいならば、「自分で自分が成長することに集中する」状態を「あたりまえ」にすることを選択することです。
年齢は関係ありません。この時代を楽しむためには自分の生きる姿勢を変えるしかありません。
朝一番に10年来のお付き合いのある企業様から、「ターニングポイントマネジメントは、女性向きなのですか?」というお電話をいただきました。
答えは「どんでもありません。想定できるターニングポイントの数が女性の方が明らかだ、というだけのことです。誰にも必要な能力」です。
久しぶりに近々、ランチをご一緒することにしました。「組織人に求められる能力」の変化について、意見を交わそうということに。そりゃ、悩みますよね。
会社が「今までとは異なる成長変化を求めている」という事実をどう受けとめ、対処すべきなのか。
言えることはただ一つです。日本独自の終身雇用システムが崩壊した以上は企業の人事総務の在り方も変わるしかない、ということです。「ポジティブ」「アグレッシブ」というような表現で人材を語る時代は終わろうとしているのではないでしょうか。
変わるしかない日々は、すぐそこに。そう思いながら、新しいアイデアをカタチにするために挑み続ける、そんな毎日がはじまります。
どれだけ、楽しめるかです。自分の生き方を。そう思いませんか?