解決策はアイデアですから、「ミスをしたくない」と思って青年の脳みそには湧き上がって来ないのでしょう。そこで、A課長には、「仕組化練習をしてみては?」と伝えました。
「仕組化練習」は、ロジカル思考に少しだけクリエイティブ思考を必要とするものです。進め方は、「C」の内容から「A」を設計するときに、Cで明らかになった「成功要因」を定番にできる仕組にするというものです。
仕組化のトレーニングは、効率化と同時に「どうしたら」というアイデアをもち、それをカタチにすることで、達成度、実現感を得ることができます。それにより、少しずつ、アイデアを持つことのセンスを磨いていきます。
1か月ほどたって、A課長からメールをいただきました。「仕組化チームを創りました。Yさんがリーダーです。『仕組化にはアイデアが必要なのだ』と張り切っております。どうも見ていると、営業よりもシステム関係の業務が向いているように感じています。彼を新システムプロジェクトに推薦しようと思うのですが、先生はどのように思われますか?」とのことでした。
当方の回答は、「それはきっと適任かもしれませんね。ですが、Aの設計の中で仕組化だけに挑んでいるわけですから、Aとして必要な営業成果に直結するようなアイデアや考え方を身につけることにまだ挑んではいません。そこまでは経験させてあげてはいかがでしょうか?このタイミングでは、自分は営業に向いていないんだ、と思い込んでしまうのではないでしょうか?」です。
部下の適性を判断することは難しいことです。何よりも、部下自身が自分をどのように成長させたいのか、という想いと方向性を明確にすることが必要です。
「セルフリーダーシップを理解させて欲しいですね。そこまでは、A課長にがんばってください」と伝えました。課長からは「セルフリーダーシップ、という言葉が自分的には心に響きます。時代を生き抜くということの難しさを実感しているからかもしれませんが。セルフリーダーシップの研修、社内でやりたいですね」とのメールが。なにせ、15年前の私の教え子ですから(笑)
セルフリーダーシップはぜひとも身につけていただきたい能力です。今なお、毎日を格闘しながらも楽しめる私自身の体験が、「セルフリーダーシップ」の元になっています。ぜひ、11月9日(金)セルフリーダー、プロフェッショナル、2つのシップを学ぶ120分講座にお越しくださせいませ。