経団連の新卒採用自由化論は、大学側との調整で静まりました。
ですが、遅かれ早かれ、「自由化」路線に進むのではないでしょうか?
みなさんはどう思いますか?
毎年4月は新入社員研修で研修業界は沸き立ちます。当然、自由化になると、困るでしょうね。いずれにせよ、これから企業がすべき社員教育は、企業と社員の労働契約の根本に立ち返ったものになることは間違いありません。
会社と社員がどのように仕事を進め、ゴールを共有していくのか、という問題です。「とにかく働いている」という考え方を持っていると、一見、会社との間に波風は立たないのですが、成果に対する会社の評価はシビアになります。
セルフリーダーシップの公開講座にお越しになった方が、「社外価値を考えたことはない。これからも考えられないと思う」というコメントをくださいました。それもアリです。ただ、そう思っている以上は配置転換の嵐にも立ち向かう勇気が必要です。
新入社員は「自分の力を試してみたい」という意識を持っている人が多いものです。そのうちにしぼんでしまうとしてもそれなりの割合でいます。
研修講師は、そう思わせるように教育をします。
5、6年前までは、「すぐに即戦力にはなれない」と指導してきました。
ところが、今は、「アイデアは常にもっていながらも、成功確度の高い先輩の指示を受けて仕事を進めましょう」と指導しています。
理由は、先輩が経験したことがない仕事が出現しており、お手本やマニュアルの無い仕事が新人に回ってくることが多くなったからです。
報連相のルールは変わりません。ただし、「サイクルは小さく、時間は短く」が鉄則ではあります。
つまり新人でも即戦力になれる機会が増えているのです。ほとんどの仕事に「システム思考」が必要です。この点は大先輩方よりも、新卒には馴染みがあります。この点を理解したうえで、新入社員を受け入れることが大切です。
新卒が部門に配属されると、空気が新しくなりますね。この時期は、それを理由に部門内の仕事の進め方や報連相の在り方を見直す時期でもあります。
まずは職場の暗黙のルールや合理性に欠けるルールを見直しましょう。
「変える」ことに躊躇をしない組織でありたいものです。
次回テーマは「AIがPDCAを不要に?」の予定です。会社の中にいると気づかない「仕事の変化」を考えてみます。