ビジネスウェルネス倶楽部Business Welness Club

ターニングポイントに悩み始めた社員たち

  セルフリーダーの育成研修に登壇させていただくと、ワークや演習プログラムの中で、少しずつ顔に「苦悩」が見えてくる30代社員が大勢います。
毎日、肌に感じる変化に対して、自分がどうすべきなのかがわからない、というのです。

 その受講生Aさん32才、独身の彼から、「今の自分たちの状況は、ターニングポイントにさしかかっているのですよね?」と尋ねられました。彼の会社の実績は順調です。ですが、ありとあらゆる領域に新規事業を打ち出しており、方向性が理解できない、というのが彼の本音でした。

 「つまり、経営方針が見えないから、不安になっている、ということかしら?」と質問すると、「はい、そうですね。さらにいえば、会社の方向性がこの会社に入社した理由とかけ離れている気がしているということです。たぶん、同期はみんな同じことを感じていると思いますよ」とのこと。

 なるほど、これが最近の「30代の悩める事情」なのだと思います。会社の経営ベクトルと個人の成長ベクトルの乖離幅が想像以上に大きくなっているということです。
40代後半から50代も半ばに達した管理職には、その乖離幅が気にならないのでしょうが、若手社員、中堅社員には、大きな失望にもつながっているのです。

 この現実は紛れもなく「ターニングポイント」です。

この現実に何も感じていなければ、「転機の種」は舞い降りてはきません。ですが、彼らは、既に気づいてしまっているのです。転機を良い転機として、ターニングポイントを乗り越えるためには、問題解決が必要です。しかも、既成の「転職」に頼っては、未来を選ぶことにはならないことに気づいているのです。

 セルフリーダーシップは、安易に「転職」を選ぶのではなく、企業の経営ベクトルと自己成長ベクトルの乖離をプロフェッショナルシップの発揮によって、どれだけ埋めることができるのかを検討することからはじめます。そのうえで、埋められないことをさらにどうしたらよいのかを「はじめて」の視点から解決をはかります。

 つまり、冷静で合理性の高いロジカル思考が、「人生のゆらぎ」とも言える「自己と企業のベクトル乖離」という現実の問題を解決していくということです。

 ターニングポイントはセルフマネジメントできるものです。大切なことは、セルフマネジメントする内容を「自分の成長に集中できる能力、そのために今何をすべきかを選べる能力の発揮」という観点から決めることです。これがターニングポイントマネジメント(TPM)です。

 悩めるAさんに、「ターニングポイントは風の中で」をプレゼントしました。数日後、彼から「自分の転機に集中するということは、自分の成長に集中するということなのだと思いました。転機は運気だと思っていましたが、ロジカルなんですね」とメールが。彼は、営業企画部門に所属していましたが、なんと新規事業の中でも畑違いの事業に転属を希望しました。しかも、その事業は「現場」があるので、そのために転勤も希望したそうです。

 彼に理由を尋ねたところ、「東京から離れてみることも自己成長に必要だと考えました。ビジネスに活用できる素材は日本中にありますから」とのこと。彼は、動き出しました。しかもロジカルに。

 私たちは、人生を本当にロジカルに考えたことがあるでしょうか?

世界中で活躍する著名人はきっと簡単にできていたからこそ、成功したのでしょう。ならば、誰にでも同じようにチャンスはあるはずです。自分が納得できる生き方、選択ができるはずです。

TPM(ターニングポイントマネジメント)は、生きる姿勢をロジカルに、しなやかに、したたかに変えていきます。

12月7日『ターニングポイントは風の中で』刊行記念セミナーは、TPMの必要性と成功例を社員教育の立場からご説明いたします。